精一杯に生きていたってことに

通り過ぎる人の背中に 積もっている年月が見える
腰の曲がった女性の背中に そびえる年月は 空を刺す 空を刺す

わたしもやっと気づき始める 背骨の上に積もる年月
足音に重なって ため息に重なって わたしを励ます 大丈夫大丈夫

そう、少し優しくなれる そう、またゆるされる

精一杯に生きていたってことに
通り過ぎてから気づくんだ
精一杯に生きているってことに
いつも通り過ぎてから気づくんだ

きみの背中にも見える 空っぽが満たされてゆく
そう、またゆるしてゆける きみとぼくがひとつになる

ゆるせばゆるすほど譲れないものが形を現しだす
今も生きるきみの背中で 年月が空に手を伸ばす

精一杯に生きていたってことに
通り過ぎてから気づくんだ
精一杯に生きているってことに
いつも通り過ぎてから気づくんだ
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