宵待ちしぐれ

うれしさに灯がともる 約束化粧
指がふるえて 眉が 眉がひけないわ
薄紅の半衿に 待つ身の女が匂います
雨かしら…やっぱり 雨の音
濡れて濡れて あなたは 宵待ちしぐれ

洗い髪乾いても あなたは来ない
傘がなくても 心 心あるでしょう
薄なさけ温(あたた)める 待つ身の女のひとり酒
酔えないわ…泣きたい 罪なひと
憎さ憎さ 降りこむ 宵待ちしぐれ

死にたいとつぶやいて ほどいた帯と
想いうらはら 窓に 窓にすがりつく
ときめきと あきらめが 待つ身の女をなぶるのね
愛(いと)しいと…言ってよ 愛しいと
明日(あす)は明日は 晴れるの 宵待ちしぐれ
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