花散里

花の波に揺れる 恋心
交わすこと 許されず
月夜に光る 孤悲跡(こいあと)

風が吹き抜け
袖を振る 淡い夢も遠く

春を待ち 気がつけば
あなたは 秋風
温もりも 今はもう
どこかの花咲かす

あなた手折(たお)る 花になりたくて
山の隅 隠れ月
光はもう 見えない

空のようね
あなたは遠く高く過ぎる

枕元 濡れ冷えて
心は 枯れゆく
今何処に 訪れる
春はもう ここにはない

恥じらう蝶の 羽傷ついて
飛ぶことなんて出来ない

春を待ち 気がつけば
あなたは 秋風
温もりも 今はもう
どこかの花咲かす
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