マーガレットの沈黙

凛と光る空気に ひとり取り残されたような
束の間射す孤独が 朝の気配に溶ける

隔つ窓の外には 物言わぬ冬咲きのマーガレット
身を寄せあい手招く 僕らはどこか似てるのか

まだ冷たい喧騒の入り口で すれ違いながら
重いコートのなか隠してる 夢の欠片
風を切ればどこか強がりじみても
今は 顔を上げる時だ

あの日蒔いた希望に 水をあげ忘れた日もある
咲けないまま季節を やり過ごしては
不器用な怒りを持て余し
白い息に目を凝らして

春待ち顔の波を 逆らい駆けていくマーガレット
生き急ぐスピードに答えはない
受け入れて、それぞれがただ

まだ冷たい喧騒の入り口で すれ違いながら
重いコートのなか隠してる 夢の息吹
胸を張ればどこか強がりじみてる
だけど、うつむかないさ

いつか誰の目にも僕ら 大人になる頃
暖かな日差しにも照れず 語りあおう
ほころんだ蕾と沈黙をまもる
今は 顔を上げる時だ
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