酔いどれ船

夜風に誘われ 酔いどれ船が
今日も出てゆく
女がひとり 漕ぐにはつらい
苦い海だよ
おねがい抱きしめて 心が凍えるわ
酒の力で 夢さえ叶いそう
砂の船です

優しさだけでは どうにもならない
恋の道行(みちゆき)
からんでみても 相手がいない
こおり酒だよ
おねがい抱きしめて もいちど逢いたいの
ふられ上手か いつでも残される
砂の船です

思い出めぐりの 酔いどれ船は
どこえ着くやら
出船のたびに 傷口ふやす
紅い海だよ
おねがい抱きしめて 躯が恋しがる
舵もとれずに いまにも沈みそう
砂の船です

浜辺に 打ち上げられた
わたしの肩から 陽がのぼるわ
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