落陽

微熱を下げてしまうような 適当な態度の君が
もう年老いた猫の頭を撫でて はにかんで笑っている

愛しい背中をなぞる くすぐったいと手を払う
2人だけの暗号を繰り返して すぐに今日が終わる

夕暮れがせまる せまる せまってきたら
その高い鼻でできた影を 私だけが見つめる

風につられてしまいそうな そっけない素振りの君が
愛を伝えてくれる稀なことにも慣れて 慣れて

気づけば つまらないことで腹が立つようになって
今日も君を大切にできなかったと 自分を責めている間に
今日が終わる

夕暮れがせまる せまる せまってきたら
その 鋭い赤のせいで たまに不安になるよ

そのままで 君はそのままでいてね 私が変わってしまっても
抱きしめる時に 首筋に頬をよせる癖はなおさないで
そのままで 君はそのままでいてね 私が変わってしまっても
照れた時 襟足に手が伸びて とかす癖はなおさないで
なおさないでいてね

夕暮れがせまる
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