浜昼顔

家のない子の する恋は
たとえば瀬戸の 赤とんぼ
ねぐらさがせば 陽が沈む
泣きたくないか 日ぐれ径
日ぐれ径

たった一度の 恋なのと
泣いてたきみは 人の妻
ぼくは空ゆく ちぎれ雲
ここはさい涯 北の町
北の町

ひとり旅立つ 思い出に
旅行鞄に つめてきた
浜昼顔よ いつまでも
枯れるなぼくの 愛の花
愛の花
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