石狩エレジー

旅の夜汽車で ふと知りあった
君は流れの レビューのスター
窓に頬よせ 涙にぬれながら
都恋しと都恋しと あゝ泣いていた

昨日乗合 今日また馬車で
流れ流れる 石狩平野
一つマフラーに 肩すりよせおうて
恋は切ない恋は切ない あゝあかね雲

楡(にれ)の花散る 港の町の
楽屋泊りが 侘びしゅてならぬ
赤いドレスが どんなに燃えたとて
どうせちりぢりどうせちりぢり あゝ旅のはて
×