瀬戸の恋唄

別れにゆれる 船もあり
しぶきに散らす 恋もある
つらいみれんに 足止めされて
夜を重ねた 瀬戸の宿

船出を明日に のばしても
明日はすぐに くるものを
添えぬさだめを 怨んで泣いて
燃えて死にたい 胸のうち

眼ざめて飲めば 酔いざめの
心にしみる 水の味
窓が白らける 夜明けの宿は
涙まじりの 雨になる
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