緑の地平線

何故か忘れぬ 人故に
涙かくして 踊る夜は
ぬれし瞳に すゝり泣く
リラの花さえ なつかしや

わざと気強く ふりすてて
無理に注がして 飲む酒も
霧の都の 夜は更けて
夢もはかなく 散りて行く

山のけむりを 慕いつゝ
いとし小鳩の 声きけば
遠き前途に ほのぼのと
緑うれしや 地平線
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