あかとき

響く沈黙と 重なる息の音
言葉みつけても 声にはならなくて

何度も繰り返す 途切れとぎれの夜
こころを 肌で 感じたい

暗闇で握った手のぬくもり
朝焼けの眩しさが冷ましてく
音のない 部屋のなか
私だけが あなたのにおい さがす

耳に蓋をして 世界を遠ざけた
音がなくなれば 一人になれるから

深い瓶の底 座り込む私を
掴んで 連れ出した いま

揺れているちいさなふたつの影
哀しさが泡になり溶けてゆく
透明な約束に うかぶ涙
雨のように 落ちる

夢のままなら いまもまっすぐで居られたの
「私を 一秒も 忘れないでいて」

暗闇で握った手のぬくもり
朝焼けの眩しさが冷ましてく
音のない 部屋のなか
私たちの 確かなにおい さがす
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