夜明けの境界

月だけがそこに在る
冷たい手繋いでいた
太陽に嘘をついた
宿命を捨てる覚悟もないまま

短く永い罰の中
僕とよく似た君のこと
見つけた瞬間に知った
泣いていたんだな僕は
言葉にできない悲しみや執着を胸に抱いて

諦めたように笑う君の瞳が
刹那、揺れた気がしたんだよ
解りたいと願ってしまうほどに遠ざかって
「赦されない」と俯くそのまつげにかかる影と滴が
世界を満たすんだ
濡れていく過去も現在も
全部2人だけのものだ

強くて美しくて
寂しそうな君の
僕だけが辿り着く
心臓の近くにある感情の音

知る必要はなかった
とっくに知っていたことだけ思い出すように
なぞるだけでよかった
きっと前の生もその前も共に過ごしていたんだろう

だからこんなに早く君と出会えたことは幸せだ
僕が望んでいることはいつだって たったひとつ
この生命をかけて君を愛することだけなんだから

諦めたように笑う君の瞳が
刹那、揺れた気がしたんだよ
解りたいと願ってしまうほどに遠ざかって
「赦されない」と俯くそのまつげにかかる影と滴が
世界を満たすんだ
濡れていく過去も現在も
全部2人だけのものだ
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