傘はいらない。

時に振り回され
雨、ポツリと頬を刺す
人波が混ざり合う
心が溶け合うことはなく

絡み合った虚しさが
幾重にも違う運命の様

傘はいらない 遠ざかる
目を伏せて見えない様に
悲しみを浴びて街を背に
汚れた足元

何度となく涙を落としてきた
晴れた風景が今は懐かしい
アスファルトの水面が揺れる
歪んだ顔を踏みつけた

瞼閉じたら独りで
そこは誰もいないから

傘はいらない 遠ざかる
目を伏せて見えない様に
悲しみを浴びて街を背に
座り込む真夜中

どこか遠くへ旅立って
忘れてしまいたいけど
心の傘を差し出した
あなたを愛しています

傘はいらない
あなたといるのなら
濡れてもいいわ

傘はいらない
きっと通り雨さ
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