足長くないおじさん

君が僕を好きだって
いきなり告げられた
忘年会の帰り
ほろ酔いの顔で
僕の胸に抱きついて

思わず酔いも覚めちゃった
明らかに動揺してる
親子ほど離れた
君を大切に
思ってはいるけれど

勘違いしちゃうだろ
きっと一瞬の気の迷いさ
勘違いしちゃうだろ
少し飲みすぎただけだよ

明日会社で君に会ったら
記憶がないふりをするよ
心は揺れてる
でも君の人生を
奪うことはできないんだ

勘違いしたくなる
本当はね、好きなんだ
勘違いしちゃだめさ
どうか幸せになって欲しい

君の足長おじさんには
僕はなれそうもない
そっとタクシーに乗せ
いつまでも見送って
一人駅まで歩いた

千鳥足で歩いた
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