裏町人生

暗い浮世の この裏町を
覗く冷たい こぼれ陽よ
なまじかけるな 薄情け
夢も侘しい 夜の花

誰に踏まれて 咲こうと散ろと
要らぬお世話さ 放っときな
渡る世間を 舌打ちで
拗ねた妾(わたし)が なぜ悪い

自棄(やけ)に喫(ふ)かした 煙草の煙り
こころ虚ろな 鬼あざみ
ままよ火の酒 呷(あお)ろうと
夜の花なら 狂い咲き

霧の深さに 隠れて泣いた
夢が一つの 想い出さ
泣いて涙が 枯れたなら
明日の光りを 胸に抱く
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