独航船の男

惚れた惚れたと 叫んでみても
ここは千島の 波の果て
たかがひとりの 女じゃないか
嵐呼ぶよな 北海を
泣いて泣いて ゆかりょか
ああ 独航船

翼いためた 鴎が一羽
波にうたれて 追いすがる
女ごころと 思えばつらい
せめておいらの この胸に
抱いて抱いて やりたい
ああ 独航船

恋は忘れろ 日本のために
積まにゃならない 海の幸
男涙を 奥歯でかめば
揺れるマストの 日の丸が
雲を雲を 切り裂く
ああ 独航船
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