波紋

揺れ動く水面(みなも)に 溺れてく心が
今照らし出す姿は 未だ知らないまま

あぁ
解(ほど)けだした
瞳の奥で
そう
逃げるようにまた
零れだした
月に寄り添う
影に隠れて
朧(おぼろ)げに彷徨う
姿は鏡の様

溶け合う体に
そっと触れて
気づいた時
重なり合っていた

万華鏡のように
紡がれた景色は
淡い夢の如く
色を変えていた
過去を見つめて
形を做(な)した輪郭
泡沫(うたかた)の幻想なぞって
千の時を越えてゆく

瞼を閉じた時には
ゆるやかに
儚く消えている
澱(よど)んだ情景は絡み混じって
全てを飲み込んで
何もなくなっていた

明けない夜に無想して
涙を隠し
滲みゆく身体に
現れてくのは
心の叫びだ

ゆらゆら漂って
やがて濁っていく
拾い集めた願いは
夢の様に
薄れてゆくよ
暗い闇に包まれて
月明かりに混じる光は
あなたの様な旋律

記憶の中で
波打つ道筋を辿った

万華鏡のように
再び煌めいて
映し出す世界は
共鳴する想いだ
忘れかけてた 運命の音が響く
泡沫(うたかた)の幻想なぞって
千の時を越えてゆけ

万華鏡のように
白波の瀬に謳(うたわ)れ
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