埃人間

野に咲く花のように散ってゆく
打ち上げ花火ほど派手じゃなくても
とにかく開く蕾ではあれ
風に溶けて消えた
私は埃人間

暮れた街歩いた伏し目がちに
この小さな命も景色のひとつ
歩幅合わせた 思えば誰といた時も
もう少しゆっくりでって言えずに

吐いた息に色はつかなくて
泣いた 涙が溢れた 透明

野に咲く花のように美しく
線香花火ほど華麗じゃなくても
とにかく根深く
強くなくたっていい
わかっているこの足で立っている

野に咲く花のように散ってゆく
打ち上げ花火ほど派手じゃなくても
人知れず湿気るために生まれたんじゃない
もがいている誇り高き埃人間

この小さな命も景色のひとつ
私がいなくなったってかまわないけど
代わりなんてどこにもない
悲しみよどうか吹き飛べ 埃人間
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