猫の耳

曇りばかりの地元に雪が降ってた
町全てが灰色になって静かだ
明日起きられたらラーメンでも行こう
できない約束した薄明の朝の路上

だだっ広い駐車場に溢れた車
膝掛けかけたまま待ってた君の姿
ストーブのそばで眠る猫の耳に
用水路のように流れ込む記憶の葉々

ほら、幾幾も

走馬灯のように溶けて消えてく
望遠鏡覗いてみてた
深々と降り積もる雪の群れに添い
幽霊になっても何度もここに来ようと思うよ
風になるまで

車でよく流していたアルバム
あの暗い曲がなぜか胸に残ってる

ほら、頻々と

走馬灯のように清く消えてく
白夜行の中でいつも夢や文句を語ったあの人も
幽霊になっても何度もここに来てると思うよ
雪に紛れて
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