ヒトシズク

抱きしめ合う時 お互いの 顔が見えないのは
重なった心に 耳を澄ますため
ここにいれば もう大丈夫だって 気づくため

人に 話をした事じゃない
人に 話す事なんてできなかった
その中に
ほんとの僕が ほんとの君がいる
褒められた事のない 子どもみたいな顔で

簡単にできた事の中じゃない
何度やったってできなかった
その中に
幾つもの悔しさと 飲み込んだ言葉がある
夢は甘くて 少しほろ苦いから

抱きしめ合う時 お互いの 顔が見えないのは
重なった心に 耳を澄ますため
ここにいれば もう大丈夫だって 気づくため
ここまでの事 本当は こわかった事も
何もかも全て 運んできた
本当の自分で あなたと重なり合うために

見せるための幸せではない
色とりどりの 景色でもないんだ
もう誰の顔色も見ず 目をつむりたかった
初めて褒められた 子どもみたいな顔で

僕が作った その壁を あなたがドアにして
開けてくれたから 手を繋げる
大人だって あの日は子どもだった
言えなかった事 本当は言われたかった事
絡まった糸みたいに ほどけなくて
大人げもなく 今、愛してもらいたいのだから

抱きしめ合う時 お互いに 涙をこぼすのは
伝えられなかった 想い達が
強がる事の 無意味さに気づくから
ここにいていい もう何も 探さなくてもいい
自分を肯定できない日も
ここにいれば もう大丈夫だって
気づいたから
あなたといれば もう大丈夫だって
思えるから
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