振子の山羊

陽は落ち長い影の果て
しきつめて夜は来る
森をぼんやり映してる
縦に首を
振りつづけている
闇を見つめ
動こうとしない
山羊はやがて
風にゆれている
足もとから
草におおわれ
ある日つぶやく木になる

緑消える日が近い
始まる熱い夜明け
土はひび割れ枯枝を
砂ぼこりと
口笛がわたる
地平線は
つづけて咳きこみ
山羊はやがて
ゴロゴロころがり
行方知らず
つかまるまでは
山羊はその枝を食べた
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