泡沫少女

想い出を彩るのは
君とみた 景色じゃなくて
触れられそうなその指先とか
ぬるくなった青

流れる雲繋いだ星座を
探してたら午後になってた
何も言えず伸びてくかげるぼうし
褪せてく空

いかないで夏霞
君を呼ぶ 聲は泡の中に溶けて
飲み込んだ言の葉が
胸の中に青く滲む


ふたりを繋いでるのは
残された時間じゃなくて
素直になれない燻る心
もどかしい赤

消えないで夏霞
君を描く手でぬくもりを探って
届かない感情を
描き残しただけの
淡い夏

幾年の夏休み
君のかげぼうし夢の中に溶けて
飲み干した炭酸が
はじけてく
僕は恋を描いていた

いかないで夏霞
君は泡沫に高く空を舞って
彩りはないけれど
ふたり眺めた
景色を描いている
×