後悔日誌

朝焼けを知った 産声のような
鮮やかさなんて 逃げ出したいほど
長い長い夜を 恋焦がれている
間違えたままに 漂う船だ

ゆらゆら憂う波に
生まれたまま浮かべない
見様見真似だけで継ぎ接いで
人生を 漕ぎ出した
みすぼらしいガワだ
行き交う船の 憧れは早く
海路図の無いまま
遠く遠く想い馳せてしまった

頼りなくたわむ帆に
今や気付いてしまったようだ
なあ明日の僕はどうだい?
きっと救えないや

弱いままを愛せてしまえば
僕はどれだけ僕だっただろうか
「弱いままでいい」と 弱音愛す強さもなくて
航海日誌は 誰にも見せること出来ないほどに
大事に抱えてた 自己否定という名の
陶酔ただ委ねている
僕は僕を 愛で呪ってる

ただ知らなかった故だ 何も怖くないのは
広い海の果てなど 見えないと
闇夜なら 知らず済んだ
言葉も持たぬまま
僕らは海に 放り出されてた
明かす陽は残酷に
冷たい世の果て無さ証(あか)した

どうか壊してくれないか
さらばえた幽霊船を
どこか懐かしい 暗さへ
沈みたくて

何者と願ってしまえば
その日から何かの紛い物だと
「何もいらない」と 言い切れる強さもなくて
航海日誌は 誰にも理解さえ出来ないような
大事に抱えてた 不幸だとかいう名の
幻想 字を滲ませてる

いつの日か旅の終わりが来る時
冷たい冷たい水面で
どうかこの手ただ握っていてくれますか
浮かぶ木々達の上
親愛なる 世界に綴る

弱いままを愛せてしまえば
僕はどれだけ僕だっただろうか
「弱いままでいい」と 弱音愛す強さもなくて
後悔日誌は 誰にも見せること出来ない
だから大事に抱えてよう
傷の一つ一つ
僕と思い出せるよう
僕は僕を 呪いで愛した
親愛なる世界へ 呪いを込めて
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