漁り火情歌

沖を彩(いろど)る 漁り火が
函館山から 揺れる夜
俺と一緒じゃ 不幸になると
なんで哀しい ことを云う
北の女は 情けが深いから
ついてゆきます どこまでも

つらい浮き世を さまよえば
男も女も 傷だらけ
何も聞かない 昔のことは
今のあなたに 惚れただけ
北の女は 心が熱いから
寒い男に させません

立待岬(みさき)遥かな 漁り火が
故郷(こきょう)と同じと ふと微笑(わら)う
いつかおまえと 帰るかなんて
ほろり泣かせる ことを云う
北の女は 情けが深いから
命かさねて どこまでも
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