ぜんぶ君なんだ

「日が落ちて急に冷えて来たね」と
君が後ろから追いついてきて
グランド脇の小さな公園
ブランコに座った

俯いたままで君は地面に
爪先でずっと何か描(か)いてる
悩んでるのは見え見えなんだけど
俺からは聞かないよ

好きなときも 嫌いなときも
重ねた時間が 君なんだ
上手くいかないことがあっても
まっすぐ精一杯 やればいいよ
いつかきっと全部 笑って話せる日がくるさ

心がちょっぴり尖ってた頃
寄り添ってくれた人の言葉
「どっちつかずは悪いことじゃない」
そのまんま使った

笑うときも 泣いてるときも
重ねた時間が 君なんだ
嫌いになるくらいやらなきゃ
本当に好きかは わからない

見上げた空 一番星が
早く帰れって 急かしてる
不意に俺のお腹が鳴って
顔を見合わせて 吹き出した
そうやって全部 笑って許せる日がくるさ
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