さよならジャックポット

おんぼろゴミのスロット
多分 人生はそんなの
はした金を BET
きっと 当たらないものだから
くだらないって
ゲームのひとつだろ
結果は
見れたものじゃないけど

ようやく 覚えた芸で
苦く 稼いだ身銭で
インスタントな夢を
デコって
くっつけて
バラまいた
人嫌いの 私だけの物
愛せる物が あっただろう

ジャックポットなんて
ここには無いので
冷えてほしい跡
知ってほしいから
心の中だけで
中指立てて いるのさ
負け犬のマーチのテンポは
いくら崩してもバレやしないさ
死にゆく その時
光る物があれば
いいのだろう

あなたの滑稽な顔を拝みたい
あなたの滑稽な顔を燃やしたいのさ

根っこの深く巣食った
111輪のシロツメクサ
魔法の呪文 It's not for me.
身体にガタがきてんだ
無理矢理 積みあげた時には
何の意味も無くなってた

もう
時計の針は 逆には進まない
塵も残さず 消えてしまいたいから
真っ赤な 目の下は
見せないように 歩くの
昇らぬ 朝日を踏みつけ
今はただひとり 静寂の闇から
じっと身を潜めて 息を殺すだけだ

身ひとつ
心ふたつの 私は
帰りの切符も無いまま
遠すぎる場所に来てしまったのかな
分岐する道と
すれ違う未来
またひとり ひとり
ひとりずつ 客が降りていく
人生急行だ

悪夢の中で もがくわ
三途の川と 彼岸花
寒すぎる場所に来てしまったようだな
思い出すのは いつも
小さく輝く コインの絵柄だけ
いちばん キレイな 記憶だけだから

「一生 私たちは
呪いを抱えて、
文明の星で、
草木を枯らして
生きていくしかないんだ。」
お別れの前に 一言お礼を
泥棒たちにも 汚い花束を
笑って

さあ
我らが 誇りの看板に
泥をぬって ツバ吐いて
逃げてった奴らに
爆笑の スタンディングオベーションを
うしろから 浴びせる時に
負け犬の マーチのアウトロ
きれいなピアノが 聞こえてくるんだ
死にゆくその時
光る物があれば いいのだろう

バイバイバイ
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