妹とふたり

雨だれが 軒端をつたう
妹は 傍らで眠る
坐蒲団を 二つに折って
泣きはれた 瞼が赤い
母は何所(いずこ)に 居るのやら
はぐれて十日目 夜も更ける
春よ来るなら 早く来い
此処に倖せ 連れて来い

木枯しが 表を通る
妹は 数え唄うたう
可愛さに 胸つまらせて
力なく 頭を撫でた
父はいつの日 帰るのやら
みにくい噂も 耳にする
春よ来るなら 早く来い
此処に倖せ 連れて来い
×