北山崎

雪と波とが ぶつかりあって
女ごころに つきささる
旅の終わりの…
ここは三陸 北山崎よ
春を待てずに さだめに負けて
他人に戻る 意気地なし

ふたつ身体(からだ)が あったらなんて
いいのいまさら なぐさめは
風が ほほ打つ…
ここは三陸 北山崎よ
愛しながらも 別れる恋の
残り火捨てる 海の崖(はて)

みんな失(なく)して はじめて知った
人のしあわせ ふしあわせ
夢が舞い散る…
ここは三陸 北山崎よ
いくら呼んでも 樹氷の駅は
あの日に帰る 汽車もない
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