子供に

夢はいつまでも ぬけがらなので
夕焼けの 美しいときは
いつも寂しいだろう

子供よ 君は
失った夢のあとに
ふと生まれた 夢のように

なぜ生んだか 生まれたくて
生まれてきたんじゃないと
きっというだろう

子供よ
かつて私が 父にはいた
不届千万な あの啖呵を

今はねむれ 君が今
人生に 欠席しても
誰もとがめない

子供よ 新しい船に
乗り込み帆をはる
新しい水夫であれ

今はねむれ 君が今
人生に 欠席しても
誰もとがめない
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