草々不一

「あと一つ」
「もう少し」
駄々を捏ねた人生も
背が伸びた
今じゃ需要のサイクルにも入らない

今日も懲りず
ゆれ動く心の焦点をずらして
自分じゃない誰かのために笑う日々でした

誰のための言葉だったんだろう
誰のための仕草だったんだろう

ねえ
待ってたの
私のための泣き場所を

傷つくだけの日々が今
あなたの言葉で弾け飛んだ
緩やかに濡れてゆく
恋焦がれてゆく
あなたの瞳に溺れてくの

草々不一

本日は雨模様
私の心のようです
他愛もなく
雲の切れ端から差す陽を待っています

海の中沈んでく
捨て切れない誇りを抱えて
もう辞めたいも言えない
わがままな心

誰のための未来だったんだろう
誰のための努力だったんだろう

ねえ
待ってたの
全てを攫うこの波を

傷つくだけの夜が今
あなたの言葉で明け出した
心が溢れてゆく
目を奪われてゆく
背けるほどに溺れてくの

私の心はここにあるの
あなたの闇を照らす光を
捧げるための
嘘が
愛が

芽生えてしまったの

草々不一
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