水中少女

溺れてしまえばいい 破れた赤い傘の下で
袖を濡らしてやって来る夜よ
いつかあたしを掬ってくれますように

丁度良いものばかりを探すけど きっと何処にも無いのさ
そらを泳ぐ薄ら風が湿度を誘う夜 直に雨を降らすだろう

世界を変えたいって想うけど あたしには出来ないよな
呼吸のテンポで揺れるブランコで 言葉は泡に終わって

まるでいつしか鰭を失っていた金魚さ
それでも泳ぐわ 出来るだけうつくしく

溺れてしまえばいい 破れた赤い傘の下で
袖を濡らしてやって来る夜よ
いつかあたしを掬ってくれますように

水槽の中で息が詰まる 体温を蝕んでゆく

溺れてしまうのは生きているって証なのでしょう
夜の底で眠ればいい 呼吸を忘れなければいい
涙が枯れ果てるほどの夜が
いつかあたしを連れてゆくさ
きみのところへ
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