時計仕掛けの夢

昨日までの嵐は
嘘のように静まり
白い花弁 辺りを埋め尽くす

海まで そう遠くない
雲の上 扉は閉ざされたまま

静けさのあまりに 身体を震わせる
暖かな記憶が 目醒めて蘇る

朝靄の向こうに 人影 見え隠れ
喜びのひと時 優しく訪れる

小径を通り抜け
掌 向こうには長い坂道

浜に行く流れを 横目に通り過ぎ
波音に誘われ 歩き続ける
浮かぶ船 煙は行き先も告げずに
なだらかな水面に
ゆっくり消えて行く
ゆっくり消えて行く
ゆっくり消えて行く
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