あいつ

あいつはそれでも君を愛してたよ
ばかな話と思うだろうけど いいんだと
次から次へと男を変えて
そうさたしかにいい娘に違いはないけど
愛だの恋だの言葉は軽く
その夜かぎりに身を任せ
朝になったら見ず知らず
そんな女と知りつつ おぼれてた奴

この世に男と女が居るかぎり
こんな話はどこでも ころがってるだろう
罪深いのは時には男だね
笑顔の哀しい女もあるだろう
あいつが死んでも彼女は泣くまい
それがはやりのゲームだと
いつも言葉を荒だてて
俺はにくまれ役でも 叫んだのになぜ

都会のせいだと言う程めめしくて
誰にわかってもらえるわけでもありゃしない
淋しい奴がここにも一人いたんだ
本当の事ほど話してみたいもの
まやかしなのさ夢見る時ほど
きっとあいつも気がついて
せめて女を愛しつつ
やっと自分を見つけに 帰らない旅へ
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