劣を編むI

ねえどうして―― 僕はここにいるのに
歪(ひず)んだ愛で庇ったこの眼じゃ映せない

駆けずりまわる言の葉達を 白黒別けて破棄してく
決壊した堤防のように 止めどなく流れる哀・I・アイマイ いたずらに
アナタは言うのでしょう 大丈夫、責めなくていいよと
それがアナタを傷付けるものでも?

ねえどうして―― 変わりたいと願いながら
底に強く強く 変われないよとしがみついていやしないか
悟ったフリして濁したSOS 消えはしない

やさしくなりたいだけと劣(れつ)を編む夜の畔(ほとり)

呪いも救いもアナタも振り解いた手で
肩を抱いている そっか 耐えて、耐えて、耐えて…哀されてたいのか
ねえどうか――

ああそうして僕はずっと 目覚めたいと気付きながら
見慣れた夢選んで廻り続けた 空に焦がれているくせに
滲んだ愛で庇ったこの眼はもう視えている

やさしくなりたいだけと劣(れつ)を編む夜を越え
ずっといてくれた あたたかな声のもとへ
×