クロニクル

閉め切ったカーテンの隙間
漏れた光が傷に染みた
背を撫でた温度にもまた
あなたの指が蘇ってしまうから

苦しくって、嬉しくって手放せないものだらけ
忘れ物の感情達が波に攫われそうでさ
狂おしいほど抱きしめては滑り落ちた
二人が笑っていた

いかないで、そばにいて
忘れたくない あなたのことを
消そうとしたって痛む傷を
遠ざけるより愛していたいから
ねえ 何処で二人の明日は眠っているの

戻りたい時間をくれた
二つの影が時に埋もれてゆく
錆びついた心の蛇口を
捻るたびに薄らぐ気がした

失くしてばかり、この世、呪っても
あなたを見つけた場所で
そう思うと否定さえ上手く出来やしない僕だ
憧れさえも忘れていいと恋した日々に
生きて、生きていたい。まだ

僕らはいつだって、絶望を突き放して
目を逸らしてしまったから
ひとりぼっちに耐えきれないんだろう

あと一歩分の無謀さを残して
やりきれぬ今を繰り返すだけ
平気なフリが上手くなっていくたび
思うように眠れないだけ

いかないで、そばにいて
忘れたくないあなたがいつまでも
この世界から消えぬように
僕は生きるよ、息を続けるよ

開け放ったカーテンの光も受け止めるよ
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