あの娘がくれたブルース

暗い港に来て見れば 潮の匂いと外国船
聞いてくれるなわたしの話を 今更出番がないものを
影とふたりで今日迄来たが 遠くの灯りも又消えりゃ
弱いおいらに戻ってしまう
あゝ昔を想うじゃないが あの娘がくれたブルースよ

うたを唄おうか 口笛吹こうか 酔って今夜も何処へ行く
雨になるのか南の風が なんで今更あんたの暖み
影とふたりで今日迄来たが 遠い霧笛を背中に聞いて
弱いおいらに戻ってしまう
あゝ昔を想うじゃないが あの娘がくれたブルースよ

昨日拾った手紙のなかに あのふるさとの秋の色
何の未練もない筈なのに わたしのこころに船が着く
影とふたりで今日迄来たが 港灯りに夾竹桃が……
弱いおいらに戻ってしまう
あゝ昔を想うじゃないが あの娘がくれたブルースよ
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