三百六十五夜

みどりの風に おくれ毛が
やさしくゆれた 恋の夜
初めて逢うた あの夜の君が
今は生命を 賭ける君

気づよく無理に 別れたが
想い出の道 恋の街
背広にのこる 移り香かなし
雨の銀座を ひとりゆく

鈴蘭匂う 春の夜
灯うるむ 秋の夜
泣いた 三百六十五夜の
愛の二人に 朝が来る
×