浅太郎月夜

幼ななじみの 赤城の月に
影もやつれた 浅太郎
意地と情けに ついはさまれて
泣いて結んだ 男紅緒の
三度笠

風に追われて 上州鴉
どこのねぐらに 帰るやら
添えぬ花よと 諦めながら
思い出しては お京恋しの
里ごころ

山の落葉か やくざの果ては
月にこぼれる 草の露
誰が吹くやら あの横笛は
雁があばよと 雲の切れ間に
啼いて行く
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