総司が行く

草葉の上の玉露か……
若き生命の灯がゆれる……

人が怖れる 三段突きは
沖田総司の 剣の冴(さえ)
胸の病を 知りつつひとり
生きる“誠”の 旗の下(もと)

壬生(みぶ)の若獅子 一番隊の
剣の鬼だと 風が言う
笑い流して 京洛の夜を
今日も総司の 影が行く

二十余才の 生命の丈が
小倉袴(こくらばかま)の 裾に舞う
孤剣ひとすじ 菊一文字
ゆくは幕末 修羅の道
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