君が心は

君が心は こおろぎの
風にさそわれ 鳴くごとく
朝影清き 花草に
惜しき涙を そそぐらむ

それかきならす 玉琴(たまごと)の
一つの絃(いと)の さわりさえ
君が心に かぎりなき
しらべとこそは きこゆめれ

ああなどかくは 触れやすき
君が優しき 心もて
かくばかりなる 吾(われ)こいに
触れたまわぬぞ 恨みたる
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