馥郁たる日々

意味のない時間を
送つて居るだけなのに
命を刻んで
居るかのやうだ

汚れた手にも
宿る旋律
たゞ搖らす
搖らす
深淵の柢で

息をするやうに
傷つけ合ひ乍ら
醜さの中に
馥郁たる日々

愛する人よ
愛した日々よ
たゞ其処で
其処で
照らし續けて

其のまゝでいゝ
其れだけでいゝ
たゞ搖らす
搖らす
搖らし續ける

たゞ其処に
其処に
居るだけでいゝ

たゞ暮らす
暮らす
馥郁たる日々
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