火花

走馬灯のよう流る冥土で
溺れまいと掻き分ける運命
命乞いし腰抜けの様なら
一矢報いて果てよう

旅の終わりは極楽浄土
ならばいっそ
咲かせてみせよ大輪の花
威風堂々

火花舞い散って漂よう
疾風の如し時代で
身を任せて何処へ往こう
春が吹雪いている

財も宝も名もかなぐり捨てろ
地図にない園 這ってでも往け
志した同士達の血溜まり
屍の山を越えて

何者の子で何処の国で
生い立ちの幸か不幸かじゃなく
果たすべき大義
何の為に咲いて朽ちるか

正体不明能面の声明
皮ごと剥がしてくれよう
丸腰で迎え討つ狂気は
死せど増してゆくばかり

化けてでも生に縋っていたい
惜しくないなんて思ってた
この痛みも色付いてゆく
諸行に無常ならば

尚更くたばるつもりはない
猟奇的運命に抗いたい
そう易々と溺れまいと
舌先で繋ぎ止める蜘蛛の糸

あの世で待つ彼奴には未だ逢えない
踏み締める諸行無常
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