夫婦

曖昧模糊とした身の振り先はまるで
灰色の空の下 靄がかる山のよう

庭のサンザシついばむヒヨドリ
日がな一日を縁側で眺めては

買い物を済ませて君が帰る頃
何食わぬ顔してお迎えに最寄り駅まで

シダの温もり 分かつ先行き
諦めきれぬ不器用な器用さよ

ハイボールが頬にヒヤリと触れた
まあどうにかなると君が言い 僕は頷く

身支度を済ませて家を出る僕を
何食わぬ顔して見送りに最寄り駅まで
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