アメリカ橋

風が足もとを 通りすぎてゆく
久しぶりだねと 照れてわらいあって―
アメリカ橋のたもと ふと通うぬくもり
やるせない恋 埋(う)めた街
角部屋の灯り
石だたみ石だたみ 想い出続く
いつかいつか 熱かった青春

君は変わらない 月日は過ぎても
髪を切ったので 少し若くなった―
アメリカ橋のたもと 黄昏(たそがれ)が間近い
煙草やめたの いつからと
それとなくきいて
眼をそらす眼をそらす ガラスのむこう
遠い遠い 帰らない青春

アメリカ橋のたもと それじゃと手をあげる
そっとコートの衿たてた
さり気なさおいて
人の群(むれ)人の群(むれ) 誰もが他人
はるかはるか あの頃が青春
×