働き蟻

もう仕事に行かなくていい朝
いつものように食卓につき
眺めるニュース番組

そう言えばこの時間は出勤途中で
見たことのないアナウンサーの
聞き慣れない話し声

やけに長い午後を
結局家のことで終わらせて
何をしたくて頑張ってきたのかを思う

一年365日の働き蟻の幸せは
自分のために息をすることだと
まだ知らずにいるの

休まず歩き続けた 時の跡
肩の荷が降り 強張った顔が
綻んで笑ってる

この先の人生をどう生きてゆくのか
初めて想像してる
優しい時間が流れてく

いつまで元気でいられるかなんて
誰にも分からないことだから
自分の足で行きたい場所へと
好きなように出かけて欲しい

一年365日の働き蟻はやっと今
新しい日々を見つけてゆける
はじまりに立っているの
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