Euphorbia

白い雪のように
溶けてしまいそうな
あなたの匂い
声も温度も
総て愛おしいのに
どうして
消えてなくなってしまうよ

幸せってどんな色だろうって
無邪気に笑うあなたが
心地よくて
期限切れのお菓子箱を漁っては
食べきれないくせにいつも
悲しそうな顔

当たり前に 繰り返してきた
日々が今では ほら
思い出に変わってゆく

それは
白い雪のように
溶けてしまいそうな
あなたの匂い
声も温度も
総てが遠い記憶のように
やがて薄らいでは
忘れてしまうよ

理解し合うことが 愛じゃないと
隠し事ばかりの僕に
あなたは言った
肯定することで 愛情を押し付けて
自分の心はいつでも
隠し続けてきた

そうやって 失くしてから
いつだって僕は また
後悔を繰り返してんだ

どうして
二度と戻ることのない
時計の針を
探してはまだ
立ち止まっている
総てが遠い昨日のように
色褪せていって
消えてしまうよ

何度目の今日を 乗り越えても
過去には決して 戻れないのに
思い出の欠片が今でも
昨日を 探しているんだ

触れようとして
消えてしまった
雪はまるで
涙のように
心に雫を落として
やがて明日が芽吹く

白い雪みたいに
溶けてしまいそうな
あなたのよう
咲いていた
あの花が僕の心で
永遠に色付いて
笑っているよ
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