アンジェラスの鐘

アンジェラスの鐘のしみる坂道
さよならと泣き濡れた 君よ
濡れた瞳が 横顔が
妹のように 幼かったね
だきしめた あの時の雨が今日も降る

アンジェラスの鐘の音にかなしく
面影が揺れて 流れくる
胸に飾った 十字架に
けむる霧雨は 愛のなごりか
青ざめた 黄昏の雨の石畳

君をどんなに 愛しても
口吻(くちづけ)をしては いけなかったね
思い出の 花びらに雨が今日も降る
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