七月七日

願い事を一つ 灯した短冊が
儚く揺れるから 溜め息で吹き消す

誰も悲しますことなく
誰にも叱られない
“普通の”大人になりたい、と
綴った淡い夏
邪魔にならないように
密やかに生きていたかった

これは所詮戯れ歌です
つまらぬ願いです
私より あの人を救ってください

欲しい物なんて無いです
まして夢など無いのです
私には その類は全て贅沢品です

最後のお願い
「こんな世界に二度と生まれませんように」
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