浪花のれん

恋にはのれんも捨てますと
泣いて二人で願かけた
思い出します 去年の夏の
愛染さんの宵まつり

浪花ののれんは無情もの
恋もまことも許さない
人目しのんで 潜(くぐ)り戸あけて
今夜もそっと会いにゆく

老舗ものれんも恋ゆえに
消えてはかない うす月夜
会えば泣くとは わかっていても
南へいそぐ 平野町
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