御用牙

星をつかめとおやじが言った
花をさがせとおふくろ泣いた
冷たい朝が来るまでに
氷の雨が降る前に
せめて 陽のあたる
“明日という橋 架けてくれ”
ダダダダダ ダダダダダ
それから走って
それから生きて
つかんだ星には牙がある
さがした花にはトゲがある

世の中悪いと男が言った
生命惜しいと女が泣いた
裁きの火(ほ)の穂(ほ) 燃やすなら
明日に生命賭けるなら
せめて 俺たちに
“希望という橋 架けてくれ”
ダダダダダ ダダダダダ
それから叫んで
それから生きて
腐った世間に牙をむく
虫けら生命になみだする
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